インビザライン矯正は親知らずがあってもできる?抜歯が必要なケースと判断のポイント | スマイルデザイン吉田歯科

マウスピース矯正治療

2025.06.09

インビザライン矯正は親知らずがあってもできる?抜歯が必要なケースと判断のポイント

▼目次

マウスピース型矯正装置「インビザライン」は、見た目の自然さや取り外しが可能な点から幅広い世代に選ばれています。しかし、矯正を検討する中で「親知らずがあってもインビザラインはできるの?」といった疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。親知らずの有無や状態は、歯の動き方や治療計画に影響を与えることがあるため、事前の診査と判断が重要です。
今回は、インビザライン矯正と親知らずの関係、抜歯の判断基準や治療選択のポイントについて解説します。
 

1. インビザライン矯正は親知らずがあってもできる?

親知らずがあることで、矯正治療に支障があるのではと心配される方は多くいらっしゃいますが、親知らずがあるからといってインビザライン矯正が不可能になるわけではありません。大切なのは、親知らずの生え方や位置、周囲の歯や骨への影響を正確に把握することです。以下に、インビザライン矯正と親知らずの関係を解説します。
 

①親知らずが完全に歯列から離れている場合

親知らずが真っすぐ生え、奥の歯列や歯の移動範囲に干渉していない場合は、抜歯をせずにそのままインビザライン矯正を行える可能性があります。
 

②すでに完全に埋まっていて動かない場合

親知らずが骨の中に完全に埋まっている「埋伏歯(まいふくし)」で、周囲組織に悪影響を与えていない場合は、抜かずに経過観察とし、インビザライン矯正を進めることがあります。
 

③歯の動きを妨げる位置にある場合

全体的に歯列を後ろに下げる必要があるとき、親知らずの位置によっては奥歯を後方に動かす「遠心移動」が難しくなることがあります。このような場合は、治療計画に支障が出ないように親知らずの抜歯を検討することがあります。
 

④痛みや炎症を繰り返している場合

親知らずが繰り返し腫れたり、痛みを伴うような症状がある場合は、インビザライン矯正の進行に支障をきたすリスクがあるため、事前に抜歯が推奨されることがあります。
 

⑤後戻りのリスクがある場合

インビザライン矯正後に親知らずの成長や萌出が歯列に力を加え、再度歯並びが乱れるリスクがある場合には、保定期間中の抜歯を提案されることもあります。
 
親知らずの抜歯が必要かどうかは一人ひとり異なります。まずは歯科医師による診察を受け、口腔内全体の状態を確認してもらうことが大切です。
 

 
 

2. インビザライン矯正で抜歯が必要な場合・不要な場合の違い

インビザライン矯正では、すべての症例で抜歯が必要になるわけではありません。しかし、歯を並べるスペースの有無や歯並びの状態によっては、親知らずや第一小臼歯(前から4番目の歯)などの抜歯が必要とされることもあります。以下に、インビザライン矯正において、抜歯が必要なケースと不要なケースを解説します。
 

<抜歯が必要なケース>

①スペース不足により歯列がガタガタしている場合

歯と歯の間に十分なスペースがないと、歯をきれいに並べることができません。このようなケースでは、抜歯をしてスペースを確保することがあります。
 

②上下の顎のバランスが大きくずれている場合

出っ歯や受け口など、上下の顎の位置関係にズレが大きい場合、噛み合わせを整えるために抜歯が選択されることがあります。
 

③口元を下げたいという希望がある場合

横顔の印象をスッキリさせたいという希望がある場合には、歯を後ろに下げるスペースを確保するため、抜歯が必要になることがあります。
 

<抜歯が不要とされるケース>

軽度の歯並びの乱れや、顎のスペースに余裕がある場合、または歯の表面をわずかに削る処置によってスペースを確保できる場合などは、抜歯を避けてインビザライン矯正が進められる可能性があります。
 
インビザライン矯正における抜歯の有無は、歯の状態や顎の形、希望する見た目など、複数の要因をもとに歯科医師が総合的に判断します。

 
 

3. インビザライン矯正で抜歯を避けたいときの選択肢と注意点

インビザライン矯正を考えている方の中には、「できれば歯を抜きたくない」と思う方も多くいらっしゃいます。そのため、抜歯を避けられる治療法がないか、事前に検討されることもあります。ただし、その場合はいくつかの条件や注意点を理解しておくことが大切です。以下に、インビザライン矯正で抜歯を避けたいときの選択肢と注意点について解説します。
 

①IPR(歯の削合)によるスペース確保

「IPR(Interproximal Reduction)」は、歯と歯の間をわずかに削ってスペースを作る方法です。削る量はごく微量で、エナメル質の範囲内にとどめられるため、歯の健康への影響は最小限とされています。軽度〜中程度の叢生(ガタガタした歯並び)であれば、IPRを活用することで抜歯を避けられるケースがあります。
 

②歯列の拡大による対応

顎の幅が足りない場合、歯列を外側に拡大する方法があります。これにより歯を並べるスペースを作ることができ、抜歯を避けられることがあります。ただし、骨格の成長がすでに止まっている成人では、拡大に限界があるため、全員に適応できる方法ではありません。
 

③奥歯の遠心移動

マウスピース矯正の特性を活かし、奥歯を後ろに動かしてスペースを作る「遠心移動」も抜歯を回避する一つの方法です。ただし、親知らずが生えている場合は奥へ移動する余地がないため、この方法が使えないことがあります。その場合は、親知らずの抜歯を先に行う必要が生じることもあります。
 

④マウスピースの装着時間を守ること

抜歯を避けた矯正治療では、わずかなスペースを最大限に活かす精密な動きが求められます。そのため、1日22時間以上の装着を確実に守る必要があります。装着時間が不足すると、歯の移動にズレが生じることがあり、結果的に治療期間が延びたり、希望通りの仕上がりにならない可能性もあります。
 

⑤定期的なチェックと計画の見直し

抜歯をせずにインビザライン矯正を進める場合は、治療の進行状況を細かくチェックし、必要に応じてマウスピースの再作製や治療計画の見直しが行われます。この柔軟な対応が、より精度の高い矯正結果につながります。
 
このように抜歯を避ける選択肢は多くありますが、その結果の良し悪しはあくまで個々の歯の状態や骨格によって異なります。無理に抜歯を避けるのではなく、必要に応じて柔軟な判断を行うことが理想的です。

 
 

4. 豊中市の歯医者 吉田歯科・矯正歯科 豊中本院の歯並び・噛み合わせ矯正

大阪府豊中市の歯医者 吉田歯科・矯正歯科 豊中本院では、患者さん一人ひとりに合わせた歯並び・噛み合わせ矯正として、丁寧なカウンセリングと適切な治療計画が大切だと考えています。
子どもから大人まで、そして軽度から重度の症状まで、どのようなお悩みの方にも寄り添い最適な矯正治療をご提案出来るように努めています。
 

【大阪府豊中市の歯医者 吉田歯科・矯正歯科 豊中本院の矯正治療】

■小児矯正

できるだけ歯を抜かずに、歯並びだけでなく、口腔機能を改善し、正常な発育を促す小児矯正・予防矯正を行っています。
実は子どもでも起こる可能性のある「睡眠時無呼吸症」も小児矯正・予防矯正で改善できる可能性があります。
 

■大人の矯正歯科

金属ワイヤーを使わずに行う、マウスピース矯正に対応しています。
マウスピース矯正ライトプラン・マウスピース矯正スタンダードプラン・マウスピース矯正エキスパートプランの3つのプランから、一人ひとりに合わせた最適なプランをご提案します。
従来のブラケット矯正(ワイヤー矯正)も取り扱っているため、症状の程度に合わせて歯科医師と相談することができます。
 

■部分矯正

矯正治療を検討しているものの費用や治療期間の問題でためらっている方へ、気になる部分だけを治療する部分矯正を行っています。
治療可能なケースは限られますが、はじめに丁寧な診察とカウンセリングを行い、費用面・治療期間面でバランスのとれた治療計画をご提案いたします。

 
 

まとめ

インビザラインは、親知らずがあっても治療できることがあります。重要なのは、親知らずの影響を見極め、必要なら抜歯や治療内容を調整することです。
抜歯を避けたい場合はIPRや歯列拡大も選択肢の一つですが、状態によっては抜歯が最適なこともあります。まずは歯科医師と相談し、自分に合った方法を選びましょう。
 
豊中市、豊中駅周辺でインビザライン矯正に興味がある方は、吉田歯科・矯正歯科 豊中本院までご相談ください。
 
 

 


監修:吉田歯科・矯正歯科 豊中本院

理事長:吉田 信介

経歴

平成13年 広島大学歯学部卒業
平成13年~19年 小室歯科難波診療所勤務
平成19年 吉田歯科開院

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