歯のしくみ
2025.04.04
放置すると命に関わることも!?知っておきたい虫歯の恐ろしさ
虫歯は強い痛みを引き起こし、放置すると歯そのものが崩壊する恐れのある病気です。しかし、歯科治療に対する恐怖や口の中を見られることへの抵抗感から、虫歯を長期間放置する方も少なくありません。中には10年以上放置している患者さまもおられます。
今回は、豊中市のスマイルデザイン吉田歯科が、虫歯を長期間放置した場合にどうなるのか、そしてどのように治療が可能なのかをお伝えします。どんな状態でも治療方法はありますので、決して恥ずかしがらずにご相談ください。
▼虫歯がたどる進行の段階
虫歯はその進行度合いに応じて、COからC4までの5段階に分類されます。
CO:初期の虫歯(要観察歯)
C1:エナメル質の虫歯
C2:象牙質の虫歯
C3:神経に達した虫歯
C4:残根状態
初期のCOでは、歯の表面に白いシミがあるだけで穴はあいていませんが、この状態を放置するとエナメル質に穴があき、象牙質まで進行します(C2)。特に若い方では進行が速く、やがて神経にまで虫歯が到達し(C3)、強い痛みを引き起こすことがあります。この段階で歯科医院を受診する方が多いですが、痛みを無視して放置してしまうと、神経が死んでしまう可能性が高まります。
▼歯の神経が死ぬと痛みが消える?
10年以上放置された虫歯では、歯髄壊死が起こり、虫歯による痛みがなくなることがあります。そのため、痛みが消えたことを「虫歯が治った」と誤解する患者さまもいます。しかし実際には、痛みを感じる神経が機能を失っただけで、歯の崩壊は続いています。歯の頭である歯冠は崩れ、さらに歯根も徐々に壊れていきます。
その結果、根っこの先に膿の塊ができる「根尖性歯周炎」を引き起こすことがあります。痛みがなくなることに安心せず、必ず歯科での診察を受けることが大切です。
▼根尖性歯周炎が引き起こす症状
根尖性歯周炎は、歯根内に侵入した細菌が増殖し、根尖孔と呼ばれる歯根の先端の小さな孔から外に漏れ出して、周囲の組織に感染を引き起こすことから始まります。この感染により、歯ぐきが腫れ、膿が排出されることがあり、噛む際の痛みや違和感も生じることがあります。これらの症状が見られる場合、根管内の感染源を徹底的に除去しない限り改善は期待できません。放置すると膿の排出によって口臭が強くなることもあり、これが慢性的に続くと全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、早急な歯科的処置が必要です。
▼虫歯の放置が全身に及ぼす影響
虫歯を長期間放置すると、歯の問題に留まらず、全身に深刻な影響を及ぼすリスクがあります。例えば、顎骨骨髄炎や上顎洞炎、さらには蜂窩織炎といった広範囲の炎症性疾患を引き起こすことがあります。これらの疾患は、感染が骨や周囲の組織に広がることで強い痛みや腫れを伴い、適切な治療が行われない場合には深刻な合併症を引き起こす可能性があります。
さらに最悪のケースでは、虫歯菌が血流に乗って全身に広がり、敗血症や感染性心内膜炎を発症することがあります。敗血症は全身に強い炎症反応を引き起こし、早急な医療介入がなければ命に関わる状態に至る可能性があるため、虫歯の放置は非常に危険です。
虫歯がこのように命に関わる病気に進展するリスクがある一方で、どんなに進行していても治療の道は残されています。抜歯が必要になることもありますが、その場合でも入れ歯やブリッジ、さらにインプラントなどの治療法を通じて失われた機能を回復することが可能です。特にインプラント治療は、見た目も天然歯に非常に近く、噛む力や快適さを取り戻すことができます。豊中市のスマイルデザイン吉田歯科では、患者さまの状況に合わせた最適な治療を提案し、健康をサポートいたしますので、虫歯を放置せず早めにご相談ください。