麻酔注射が効きやすい?効きにくい? | スマイルデザイン吉田歯科

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2025.04.11

麻酔注射が効きやすい?効きにくい?

患者さまのなかには、歯科の麻酔の代表格である「浸潤麻酔」がなかなか効かないという方や、逆にすごく効きやすくて治療後もなかなかしびれがとれなかったという方、どちらもいらっしゃいます。

ご自身の体質や歯科医師の注射の技術を不安に感じられた方もいらっしゃるかと思いますが、浸潤麻酔の“効く・効かない”は、患者さまの体質や歯科医師の麻酔の技術で決まるものではありません。

実は、これは患者さまの「骨の質」次第で決まるものなのです。

浸潤麻酔をよく効かせるには、歯を取り囲んでいる「歯槽骨」の中に麻酔をしっかりとしみ込ませ、歯の神経に十分に到達させる必要があります。

ところが、歯槽骨の表面は「皮質骨」という硬い骨でおおわれています。

この部分がガッチリと硬く厚みのある患者さまの場合、麻酔はなおのこと骨にしみにくく、なかなか効かないのです。

しかし、歯槽骨がガッチリと硬く厚みがあるということは、つまり歯の支えがしっかりとしているということですから、患者さまの歯の健康にとって、とても喜ばしいことです。

浸潤麻酔の効き目にとっては少し損ですが、「仕方がないな」と思っていただければありがたいです。

もうひとつ、麻酔が効きにくいケースがあります。

それはひどい炎症が起きているという場合です。

麻酔薬はからだの平均的なpH値、つまり少しアルカリ性の環境でよく効くようにできています。

ところが、炎症が起きると、乳酸が局所的にたくさん溜まり、そこは酸性の環境になってしまいます。

こうなってしまった時、麻酔の注射をしても肝心の効力が落ちてしまうのです。

「通常なら効くはずが、まだ効いてこない」という場合は、やはり麻酔の注射を追加(決められている麻酔量の範囲で)せざるを得ません。

麻酔がなかなか効かないとなると治療がつらくなるので、炎症がひどくなる前に、早めの受診を心がけましょう。

実は、上記以外にもあと4つほど歯科麻酔が効きにくくなる原因があります。そのほとんどは、誰にでも当てはまり得るものなので、歯科麻酔が効きにくいと感じている方は十分にご注意ください。

▼麻酔注射が効きにくくなる4つの原因

◎緊張しているから

以前に歯科治療で痛みを感じた経験があったり、麻酔や治療への不安が強かったりすると、どうしても痛みに対して敏感になりがちです。緊張すると交感神経が活性化し、血流が変化することで麻酔の効果が十分に発揮されにくくなります。

例えば、家におばけがいるかもしれないと感じていると、普段は気にしない物音にも敏感になり、緊張感が増します。それと同じように、麻酔や治療に対する恐怖心があると、わずかな刺激にも敏感になり、麻酔の効きが悪いと感じることがあります。そのため、リラックスすることが麻酔を効果的に効かせるための重要なポイントです。歯科医師は患者さまがリラックスできるようにサポートしますので、不安なことがあれば遠慮せず相談しましょう。

◎体調が良くないから

睡眠不足や体調不良の状態では、麻酔が効きにくく感じることがあります。体が疲れているときや体調が万全でないときは、体がストレスを感じやすく、麻酔が十分に効果を発揮しにくくなることがあります。無理をせず、体調が整ったタイミングで治療を受けることが大切です。特に、睡眠不足は痛みの感じ方を強めるため、しっかりと休息をとることを心がけましょう。

◎アルコールや薬を飲んでいるから

普段からアルコールの摂取が多い方や、うつ病の薬や鎮痛剤を常用している方は、麻酔の効果が弱くなることがあります。アルコールや薬物の影響で麻酔薬が体内で分解されやすくなったり、神経系に影響を及ぼしたりするため、麻酔が効きにくくなることがあるのです。

また、過去に歯科麻酔で気分が悪くなった経験がある場合は、そのことを歯科医師に伝えることが重要です。薬の服用歴や体調に関する情報を伝えることで、適切な麻酔方法や薬剤を選ぶことができ、より快適な治療が受けられます。お薬手帳を持参して、歯科医師に詳細を伝えるようにしましょう。

◎下あごは麻酔が効きにくい

歯科麻酔は、上あごよりも下あごの方が効きにくいことがあります。その原因は、骨の構造にあります。上あごの骨は比較的密度が低く、麻酔薬が染み込みやすい特徴がありますが、下あごの骨は密度が高いため、麻酔が浸透しにくいのです。

例えば、水を数枚のティッシュペーパーにかけると、すぐに水が染み込み、ティッシュが濡れて柔らかくなります。しかし、ティッシュがみっちりと重なっている状態に水をかけた場合、全体に水が染み渡るには時間がかかります。下あごは、密度の高い骨のため、麻酔薬が十分に浸透するのに時間がかかり、「麻酔が効きにくい」と感じられることがあるのです。

▼歯医者の麻酔が効きにくい体質ってあるの?

「体質によって麻酔が効かない」ということはほとんどありません。歯科麻酔が効きにくいと感じる場合、多くは体質ではなく、緊張や体調不良、骨の構造などの他の理由によるものです。麻酔が効きにくいと感じても、多くの場合は適切な対策を講じることで問題が解決されますので、ご安心ください。例えば、麻酔の量を調整することや、リラックスするための工夫を取り入れることが効果的です。

歯科治療は患者さまの不安や緊張を少しでも和らげ、快適に受けていただけるように進めていますので、気になることや不安があれば遠慮せずに相談してください。スマイルデザイン吉田歯科は、患者さまの痛みに配慮した歯科診療を提供しております。

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豊中市 医療法人スマイルデザイン吉田歯科

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