治療
2024.08.06
なぜ歯の神経は残したほうがいいの?神経を抜くデメリットについて
皆さん、こんにちは。豊中市のスマイルデザイン吉田歯科です。今日は、「歯の神経を抜く理由やデメリット」についてお話しします。歯の治療に関心のある方に、歯の神経についての知識を持っていただき、最適な治療選択をしていただくための情報を提供できればと思います。
- そもそも歯の神経とは?
歯の神経とは、歯の中心部にある「歯髄」と呼ばれる組織です。歯髄は歯に栄養を供給し、外からの刺激(温度や痛みなど)を感知する役割を果たしています。歯髄が健全であれば、歯は本来の機能を発揮できますが、虫歯や外傷により歯髄が感染したり損傷したりすると、歯の健康が脅かされます。
- 歯の神経を抜かなければならない症状
一般的に、歯の神経を抜く(根管治療)必要があるのは、次のような症状が現れた場合です:
虫歯の進行: 虫歯が深く進行し、歯髄にまで到達した場合、感染が広がるのを防ぐために神経を抜く必要があります。
外傷: 歯に強い外傷が加わり、歯髄が損傷してしまった場合。
歯の亀裂: 歯に亀裂が入り、歯髄に細菌が感染したり、痛みが生じたりする場合。
- 歯の神経を抜くデメリット
歯の神経を抜くことには、以下のようなデメリットがあります:
歯の脆弱化: 歯の神経を抜くことで歯に栄養が供給されなくなり、時間の経過とともに歯が脆くなります。その結果、噛み合わせなどで亀裂が入るリスクが高まります。
感覚の鈍化: 歯の神経を抜くことで、温度や痛みなどの感覚が失われ、異常を察知しにくくなります。
再治療のリスク: 根管治療後の歯は感染しやすく、再治療が必要になるケースもあります。
噛み合わせの変化: 神経を抜いた歯は、噛み合わせの変化に対応しにくくなる可能性があります。
- 歯の神経を抜かない場合に起こり得るリスク
一方で、歯の神経を抜かずに感染が広がると、以下のようなリスクが発生します:
痛みの悪化: 歯髄に炎症が生じると強い痛みを感じます。そのまま放置すると痛みが慢性化し、日常生活に支障をきたす場合があります。
膿瘍の形成: 感染が進行すると、歯の根元に膿がたまって膿瘍が形成されます。膿瘍が拡大すると周囲の骨や組織にも感染が広がり、重篤な症状を引き起こす可能性があります。
抜歯の必要性: 感染が治療できないほど広がると、歯自体を抜く必要が出てくるため、早期の治療が重要です。
5.歯の神経を抜いた後の治療について
歯の神経を抜いた後の治療についても触れておきます。神経を抜くことになった場合、その後の処置として「根管治療」が行われます。根管治療では、感染した歯髄を取り除き、歯の根の内部をきれいに消毒・清掃した後、根管内を充填材でしっかりと密封します。この密封により、再感染を防ぎ、歯の内部に細菌が侵入するのを防ぎます。
その後、歯が脆くなるのを補強するために「土台(コア)」を作ります。土台には金属やレジン(樹脂)などが用いられ、歯の構造をしっかりと支える役割を果たします。
最後に、土台の上に被せ物を装着します。被せ物は、セラミックや金属、レジンなどの材料が使用され、見た目や機能性を考慮して選ばれます。これらの工程を通じて、神経を抜いた歯でも噛み合わせなどの機能を回復し、長く使えるようにします。
神経を抜いた歯は脆くなりやすいため、治療後の適切なケアと定期的なメンテナンスも重要です。
- おわりに
歯の神経を抜くことは避けたいことですが、症状に応じて必要になる場合もあります。患者さんの歯の健康を守るため、歯科医師と相談して最善の治療方法を選びましょう。豊中市のスマイルデザイン吉田歯科では、患者さんの歯を長く健康に保てるよう、最適な治療とアドバイスを提供しております。何か気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。