治療
2024.10.31
歯科医師が解説!親知らずは抜いたほうがいい?
皆さん、こんにちは。豊中市のスマイルデザイン吉田歯科です。今日は多くの患者さんから質問されることの多い「親知らずは抜いたほうがいいのか?」について、歯医者としての専門的見解をお話しします。親知らずの扱いには個別の判断が必要であり、一概に抜くべきかどうかは患者さんの口内状況によりますが、いくつかのポイントに注目することで適切な判断が可能です。
▼親知らずを抜いた方がいい場合
◎歯列への影響
親知らずが生えるスペースが十分にない場合、他の歯を押し出してしまうことがあります。これにより、歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼす可能性があります。特に、歯列矯正を考えている患者さんにとっては、親知らずの存在が計画に影響を与えることも。
◎痛みや感染
親知らずが部分的にしか生えてこないケースでは、食べ物のカスが溜まりやすく、それが原因で炎症を起こすことがあります。また、重度の場合は周囲の歯茎に膿を持つことも。これらが持続的な痛みや腫れを引き起こし、日常生活に支障をきたすこともあります。
◎虫歯のリスク
親知らずが正常に生えきれず、隣の歯との間に隙間ができた場合、その隙間が虫歯のリスクを高めることがあります。定期的なケアが困難で、見過ごされがちな部分ですので注意が必要です。
▼抜かなくてもいい親知らず
◎完全に生え揃っている場合
親知らずが他の歯と同様にきれいに生え揃っていて、噛み合わせに問題がなく、清掃もしっかりと行えている場合は抜歯の必要はありません。これは親知らずが正常に機能している証拠です。
◎健康的な歯茎との関係
親知らず周辺の歯茎が健康で、炎症の兆候がない場合も、抜歯を急ぐ必要はありません。定期的な検診とクリーニングで、問題が起きる前に対処可能です。
▼親知らずを放置するリスク
親知らずをそのままにしておくと、上記のような痛みや炎症の他、長期にわたり隣の歯にダメージを与えることがあります。さらには、慢性的な感染が全身の健康にも影響を及ぼすことも。特に、悪化すると手術が複雑になり、回復も長引くことがあるため、早めの診断と対処が重要です。
▼親知らずを抜く時の合併症
親知らずの抜歯は他の歯に比べてリスクが伴うことがあります。特に、神経損傷や、隣の歯への影響、長期にわたる痛みなどが挙げられます。しかし、経験豊富な歯医者による適切な手技と最新の設備によって、これらのリスクは最小限に抑えられます。また、抜歯後も強い腫れや痛みが生じたり、細菌に感染したりすることもあるため、術後の過ごし方は歯科医師の指示に従うようにしてください。
▼親知らずの抜歯の費用について
親知らずの抜歯は、その状態や難易度によって費用が異なりますが、保険が適用される場合がほとんどです。一般的に、親知らずが正常な位置で生えており、単純な抜歯で済む場合の費用は3,000~5,000円程度です。しかし、親知らずが埋没しているなど複雑な手術が必要な場合の費用は10,000円~20,000円程度となります。治療前には必ず歯医者で詳しい診断を受け、保険適用の有無と見積もりを確認しましょう。
▼まとめ
親知らずの抜歯は、単に抜くか抜かないかの問題ではなく、患者さん一人ひとりの口内環境と全身の健康を考慮に入れた総合的な判断が求められます。不安な点や疑問があれば、ぜひ当院までご相談ください。スマイルデザイン吉田歯科では、一人ひとりの患者さんの状況に合わせた最適なアドバイスと治療を心がけています。
このコラムが親知らずに関するお悩みに光を当てる一助となれば幸いです。何かご質問があれば、お気軽に当院までお問い合わせください。次回の診察でお会いできることを楽しみにしています。