インプラント
インプラントとは?
インプラントはインプラント体(チタン性の金属)を顎の骨の中に埋め込み、それを基礎として歯の支えとする治療の事です。人工歯根とも呼ばれていますが、まるで自分の歯の様に自然に噛むことができるので第二の永久歯とも言われています。
スウェーデンで始まり、日本ではここ20年前から急激に増加しています。
損失歯の治療法
むし歯や歯周病で失ってしまった歯は次の三つの治療法から選択していただく事になります。
損失歯の治療法
ブリッジのデメリット
- 【1】支えにする両隣の歯を削る必要があります。健康な歯を削る事になるのでむし歯や歯周病になりやすくなります。
- 【2】両隣の支えになる歯には1.5倍以上の負担もかかることになります。負担をかける分、支えとなる歯も寿命が短くなります。
- 【3】支えになっている両隣の歯がだめになれば、一気に歯を失うことになり、「ブリッジ」では補えなくなり「入れ歯」になる可能性があります。
- 【4】「ブリッジ」はセメントで接着させますが、歯がつながっているため、食事をすると物がつまったりもするので、歯間ブラシなどでお手入れをする必要があります。
部分入れ歯のデメリット
- 【1】取り外し式の「入れ歯」は、金額的には1番安くできます。しかし、食事をした後は毎回取り外して清掃する必要があるというわずらわしさが残ります。
- 【2】「入れ歯」のバネをかける部分の歯は汚れがたまりやすく、むし歯や歯周病の原因となります。
- 【3】「入れ歯」のバネ自体が目立つので、見た目もあまり良いものではなく、口元が気になりやすいです。
- 【4】「入れ歯」を入れてからすぐに自由になんでも噛めるようになると思われている方がとても多いですが、そうではありません。何度も調整が必要になります。それでも、天然歯に比べると咀嚼率(噛める割合)が、3割程度まで落ちてしまうので、しっかりと噛めるというものではありません。どうしても違和感が残ってしまいます。
- 【5】噛めない、好きな物が食べられない、人目が気になる、というストレスに繋がっていきます。
これは70歳の人を対象にして、残っている歯の本数と国民健康保険で使われた一般医療費を比較したものです。
残っている歯の本数が多い人ほど、医療費が少ないことがわかります。
つまり、歯が健康な人ほど、身体も健康。逆に歯が悪い人ほど、病院にかかる割合が多くなっているのです。お口は命の入り口なのです。
インプラントのメリット
- 【1】インプラント治療ではブリッジのように健康な歯を削ることなく、歯がなくなってしまった部分に歯が復活した状態に近くなる。
- 【2】見た目が自分の歯に近く出来るため、人前で楽しく会話ができ、笑顔に自信を持てる。
- 【3】歯を失うとその部分の骨が痩せるが、インプラントの咀嚼の刺激で骨が減りにくくなる
- 【4】入れ歯の様に取り外したりするわずらわしさがなく、ストレスがなくなる。
- 【5】入れ歯では噛めなかったような食事ができるようになる。
- 【6】しっかり噛めることで、健康に過ごせる→全身にかかる医療費が少なくなる。
インプラントのデメリット
- 【1】価格が部分入れ歯やブリッジに比べて高いです。
- 【2】患者様の持病等により、インプラントができない可能性がございます。
オペの手順・流れ
01.カウンセリング
当院ではこのカウンセリングを徹底しています。
患者様の納得がいくまで、何度もご相談致します。
専門ドクターとインプラントコーディネーターや衛生士が疑問や不安を全て解消してから施術しますので安心です。
02.診断
当院では術前に、患者様のお口の状態を収集します。
お口の型取り、レントゲン、そしてCTを撮影していただきます。
三次元的に神経や血管の位置、骨の形や密度をしっかり把握し、ご説明します。
現在病気をお持ちの方、過去にかかった大きな病気や服用中のお薬がある場合は、あらかじめお伝えください。
03.基本治療
インプラント治療はそれだけ入れたら噛めるわけではありません。
インプラントと噛み合う歯や隣の歯に問題があれば、機能に障害が生じるため、他の歯のむし歯治療、衛生士によるおそうじ(歯石除去)もしていきます。
04.インプラント1次手術
インプラントのオペは、通常部分麻酔のみで行います。
歯ぐきを切開し、骨に穴を開け、インプラントを埋め込み、最後に傷口を縫い合わせます。
骨が少ない場合は骨を作る手術を同時にすることがあります。痛みもほとんど感じられませんし、入院の必要もありませんのでご安心ください。
05.インプラント2次手術
基本的にはインプラントが骨と結合するのに通常2ヶ月かかります。
完全に骨と結合してから、麻酔をして歯ぐきを少し切開し、歯肉の形を整えるものを取り付けます。腫れや痛みのない簡単な処置です。
06.型どり
歯ぐきの治癒を待ってから、上部構造(被せ物)の型をとります。
患者様の一人ひとりのお口の形に合った個人のトレーを作り、型どりをさせていただきます。
07.上部構造取り付け
歯科技工士が、精密な被せ物を作製いたします。
完成した被せ物や、かみ合わせをお口の中で正確に調整して取り付けます。
費用・治療期間
インプラントは自費治療なので、医院によって費用に差があります。
費用が安いに越したことはないのですが、インプラント技術(埋入手術や骨の再生治療など)の確実性やインプラント素材の信頼性を考慮し適正な料金設定をさせていただいております。※通常1本45万円前後になります。
インプラント 治療費 | |
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インプラント | 300,000円 (税込330,000円) |
上部構造 | 100,000円~ (税込110,000円~) |
CT費用とCTによるシミュレーション | 無料 |
骨が薄い方や高さが足りない方のための骨造成 | |
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サイナスリフト | 200,000円 (税込220,000円) |
大型GBR | 100,000円 (税込110,000円) |
G.B.R(メンブレンを使用) | 50,000円 (税込55,000円) |
ソケットブリザベーション | 50,000円 (税込55,000円) |
コンピューターガイド | 50,000円 (税込55,000円) |
GBR法(骨再生誘導法)
GBRとは、インプラントを埋め込むのに十分な骨の厚み、幅がない場合、人工の代用骨と特殊な遮断膜を用い、象骨するテクニックです。通常は、インプラント埋入手術前に必要な骨を作ってしまうか、もしくはインプラント手術のとき、同時に作ります。
当院ではCTで先にその診断を十分に致しますが、手術時に骨が足らなかったもしもの時を想定して、常にその用意をして、臨みますのでご安心ください。
ソケットブリザベーション
ソケットブリザベーションとは、歯の抜歯と同時に骨を作る処置をする事です。
インプラントのオペと同時にGBRをしなくてもよい可能性があるので抜歯する際に、既にインプラントにすると決めていらっしゃる患者様にはおすすめです。
その他も患者様一人ひとりに合った治療法をご提案させて頂きます。
上部構造
被せ物は、奥歯や前歯に適しているものをそれぞれオススメしています。
治療期間
元々歯が欠損している場合は、奥歯で一次オペから2ヶ月、前歯では4ヶ月ほどです。抜歯をしてから、骨がある程度出来るまで期間を置く場合は半年ほど余分にかかります(それぞれ個人差があります)。
インプラントの安全性
吉田歯科では、長期的な成果がでている世界でもトップシェアでスイスのインプラントメーカー「ストローマン社」のインプラントを使用しています。
10年成残率は97%が平均的で、メンテナンス次第ではそれ以上に長く使っていただく事が可能です。チタンという金属を使用しますが、体にとても優しく、全く害はありません。
骨と最も結合しやすい金属です。金属アレルギーの患者様も、チタンに対しては反応を示さないほど無害の金属です(極稀にチタンアレルギーの方もいらっしゃいます)。
さらに当院では、オペ当日、患者様の状態を確認させていただき、万全な状態でオペをさせていただいております。また、オペに関わるDr・スタッフは完全に滅菌されたオペ着、グローブを着用し、器具等も徹底的に感染予防を行っております。
インプラントは世界的にも確立された術式で、安全性は折り紙つきと言えます。
ガイデッドサージェリー
ガイデットサージェリーとは、CT画像をもとに、コンピューター上で術前シミュレーションを行い、シミュレーションに合わせて、インプラント手術の際に使用するマウスピース型のガイドを作成します。このガイドは、口腔内にはまるようになっており、インプラントを埋入する箇所に、理想的な角度で、理想的なサイズの穴があいています。手術の際には、このガイドに合わせてインプラントの埋入を行うだけで、確実に、シミュレーションどおりの位置にインプラントの埋入ができるシステムです。また、このガイドにはストッパーの役割もあり、必要以上に骨を切削したり、口腔内を傷つけないようにできています。患者様に安心して、安全なインプラント治療を受けていただけるよう取り組んでいます。
ガイデッドサージェリー用いた手術の流れ
01CT撮影
02埋入位置をコンピュータ上で決定
顎骨模型を作成
正確にインプラントを埋入
メンテナンス・定期検診について
吉田歯科では、治療後のメンテナンスを大切にしています。インプラントを入れてそこで終わりではなく、そこからが始まりです。
お口の中に菌が繁殖し炎症を起こすことを、天然歯では歯周病と言いますがインプラントの場合の炎症は「インプラント歯周炎」と呼びます。その様なことが起きないよう、3ヶ月に1度の定期検診に来て頂きます。
インプラントが患者様の生活の質を守り続ける様、吉田歯科では、専門の歯科衛生士が常に寄り添います。メンテナンスでは歯周病のチェックや、おそうじ(歯石除去)・クリーニングをさせていただきます。毎日のブラッシングも大切です。適切なブラッシング指導や、ご自宅でもできるメンテナンスを丁寧にご説明させていただきます。
Q&A 患者様からよくある質問
01.インプラント(implant)ってどういう意味?
インプラントとは、「植え込む」という意味の言葉で、医学用語では「埋め込む」などを指す言葉です。より正確にはデンタルインプラントと言います。
02.もう60歳を過ぎていますが、今の年齢からインプラントを入れる人っているのですか?
実際に60歳を過ぎてもインプラントを選択される患者様は当院でも何人もみえます。最近は更に増える傾向にあります。良く噛める事が全身の健康にもつながっていきますし、なにより歳をとっても食事を楽しみたいという患者様がとても多いです。
インプラントは両隣の歯に迷惑をかけないので、隣の歯を長く持たせることができます。
03.TVやインターネットからいろいろな情報が出ているけど、安全面は大丈夫ですか?
当院では感染を徹底的に予防していますのでご安心ください。事前準備や打ち合わせを念入りにしオペに臨みます。
オペの費用や手順、術後についてや、オペ後の治療の流れまでカウンセリングでしっかりとご説明させていただきます。
心配な点は些細なことでも結構なのでお気軽にお話ください。
04.インプラントの費用がこれだけ高額なのはなぜですか?
当院は世界トップシェアであるスイス ストローマン社のインプラントを使用しています。臨床データがしっかり積んである安全性のとても高いインプラントです。
骨にとても結合しやすく、長く使って頂けるというデータがしっかりと出ている会社なのです。確かに国内産の費用に安いインプラントもありますが、それらは臨床経験が積まれていないものが多いのも事実です。
患者様の安全面と将来性を考え、吉田歯科では最上のインプラントを提供させて頂いています。また、Drの技術力の高さも含まれています。院長はいつも最高レベルの技術を患者様に提供するためたくさんの講習会に参加し、常に研鑽を積んでいる、とても信用のできる優秀なDrですので、ご安心ください。
05.手術(オペ)の時間はどれくらいかかるのですか?
1本の埋入なら、麻酔をした後20分程度です。インプラントを打つ場所や、本数によっても変わってきます。早く終わればその分外科的負担が少ないので、術後の経過が良いです。
06.手術と聞くと、とても怖いです。手術中痛みはあるのですか?
オペは通常部分麻酔のみで行います。虫歯の治療をするときに使う麻酔と同じです。
骨に穴をあけると聞くと、とても怖い感じがしますが、オペ中は響く感じがあるだけで痛みもほとんどと言っていいほど感じられませんのでご安心ください。
ただ感染予防のため、ドクターやスタッフも普段とは違う雰囲気に緊張されるかもしれませんが、少しでも緊張をほぐしていただけるようお声掛けいたします。