小児矯正
顎顔面矯正について
できるだけ歯は抜かない。
歯並びだけでなく
口腔機能を改善し、
正常な発育を促す小児歯科
- 口をぽかんと開けている事が多い
- いつも猫背で姿勢が悪い
- いびきがひどい
- 食べているときぺチャぺチャ音がする
- 扁桃腺が腫れたり、風邪をひきやすい
- 寝起きが悪くボーとしていることが多い
- 01口をぽかんと開けている事が多い
- 02いつも猫背で姿勢が悪い
- 03いびきがひどい
- 04食べているときぺチャぺチャ音がする
- 05扁桃腺が腫れたり、風邪をひきやすい
- 06寝起きが悪くボーとしていることが多い
あなたのお子様はこの項目に
心当たりがありませんか?
これらが当てはまればもしかすると
お子様は口呼吸かもしれません。
1. どうして歯並びは悪くなるの?
最近のお子様はしっかり噛まない子が多く、顎が大きくならずに歯が並びきらないことがあります。また、遺伝により骨の形や大きさが親に似てしまうことや、指しゃぶり・頬杖などの悪習癖なども歯並びを悪化させる原因と言えます。そんな中で意外と多いのが口呼吸による不正咬合です。
現代の子供たちの多くは上顎が狭く、鼻閉があり、子供の8割は口呼吸をしていると言われています。正常な舌の位置は上顎の上に軽く接しているのですが、口呼吸の子供たちは口で息をするために舌の位置をそれよりも低い位置や、前の方に置くようになります。すると喋り方がおかしくなったり、いつも舌が見えたり、食事の時にぺちゃぺちゃと音を立てて、よく噛まないで飲み込み、食べる速度も遅くなるのです。口をポカンと開けていることにより、わずかにほっぺたからの内向きの圧力が強くなります。そのため上顎の歯列が側方から押されて狭く前に尖ったV字型の歯並びになります。するとかみ合う下の歯列も狭くなり、ガタガタの歯並びになってしまいます。
下顎全体が後ろに下がることや、上顎と下顎の幅が合わなくて、咬むと左右どちらかにずれるケースもあります。また奥歯は咬んでいるのに前歯は咬みあっていない、開咬にもつながります。
2. 歯並びだけでなく呼吸機能も改善する矯正治療
それでは、口呼吸が原因となる不正咬合に対してどのような矯正治療を行えばよいでしょうか。成長期のお子様であれば比較的簡単に短期間で治すことができます。最も大事なことは急速拡大装置という固定式装置を使って上顎を広げてあげることです。上顎の天井の骨は左右の骨からできており、「正中口蓋縫合」というつなぎ目を介してつながっています。子供の場合、このつなぎ目がまだしっかりとくっついていないので、この部分で新しい骨が添加して成長していきます。
この時に上顎を広げていくことで、このつなぎ目に新しい骨が活発に作られていくので、上顎をさらに成長させることができるのです。さらには、この装置の最大のメリットは天井の上にある鼻腔(空気の通り道)も広がり、鼻呼吸がしやすくなることです。呼吸の問題が良くなると舌は正常な位置に戻り、鼻呼吸になることで姿勢も良くなります。顎が広がることで歯が並ぶ場所も増加しますので一石二鳥の治療と言えるでしょう。
3. 取り外せる床矯正とどう違うの?
上顎を拡大する装置として、患者様が自由に取り外せる「床矯正装置」と取り外せない「急速拡大装置」があります。
「床矯正装置」
自分で取り外しができるため手軽ですし、衛生面でも優れていますが、その構造上、「正中口蓋縫合」を広げることはできません。また力のかかる歯が斜めに倒れてしまうため、あまりガタガタがひどいとかえって悪くなることもあります。固定式の「急速拡大装置」は取り外しができないため、大変そうなイメージですが、ベースとなる上顎自体が広がるため後戻りの心配もありません。また24時間作用し続けるため、床矯正装置で1年かかるところを2、3ヶ月で拡大できます。
都合のいい時に外せる床矯正装置とは違い、本人のモチベーションに左右されない、より確実な装置と言えるでしょう。
4. お子様のいびき 気になりませんか?
最近よく名前を聞く「睡眠時無呼吸症」肥満でいびきをかく大人の病気と思われがちですが、実は子供にもおこり、その場合心身の発達に重大な影響を与えることが分かってきました。
通常、眠っているあいだに10秒未満でも呼吸の停止が1回でもあれば子供の場合、この病気のおそれがあると言われています。子供が無呼吸になる原因は肥満や鼻づまり、顎が小さいことにより空気の通り道である軌道が狭くなるからです。また喉の奥にあるアデノイドや扁桃腺が肥大することでも無呼吸は起こります。子供は軌道がもともと狭いので無呼吸を発症しやすいのです。そして無呼吸症の多くはいびき、そして口呼吸と関連しています。
無呼吸の治療方法としてCPAP(シーパップ)と呼ばれるマスクから空気を送り込んで軌道に圧力をかける方法の他、大きくなったアデノイドを摘出するというのも有効な手段です。
無呼吸の症状は様々でお子様自身ではなかなか異常に気づくことができないため、大人が早期に発見し、治療を開始することが大切です。
睡眠時無呼吸症になると、睡眠時の成長ホルモンの分泌が少なくなるために、子供の心身に悪影響を及ぼします。
例えば、集中力がなくなるため、落ち着きがなく、おこりっぽくなります。学業や運動で本来の力を発揮できなくなるケースも多いものです。さらにはおねしょをするほか、前胸部が凹む漏斗胸や低体重、低身長になることもあります。
最近アメリカで注目されているのはこの「急速拡大装置」です。急速拡大装置により鼻腔が広がり、鼻でしっかり呼吸ができるようになると、大きくなったアデノイドも、鼻腔を通った湿ったきれいな空気に触れることで小さくなっていきます。気道が広くなることでいびきは改善していくことが多いです。
5. 反対咬合の患者様へ
反対咬合のデメリットとは?
※下の前歯が上の前歯より前にあるかみ合わせを
「反対咬合」と言います。
・不正咬合のため食事の際にうまく噛めず正常咬合の人に比べて消化不良を起こしやすい
・顎が正常に歯で固定されないため顎関節に負担がかかり関節周囲を傷つけ痛みを伴うことがある
などいくつかありますが、最大のデメリットはかみ合わせのバランスが悪いため将来歯を残しにくいことです。
下の表は東京歯科大学 茂木悦子 先生が1999年に調べた8020達成者の口腔内を調べた研究です。
8020達成者とは80歳で20本歯を残している方のことであり、その達成者の中に反対咬合・開咬の方は一人もいなかったと言います。前歯は奥歯を守る上で重要な働きをしていますので、それが機能していないと奥歯にとても負担がかかると言えます。
乳歯の反対咬合を放っておいたら
どうなるの?
乳歯の反対咬合を放置して永久歯に生え変わる時に自然に治る可能性はわずかに6.4%という研究があります。つまり様子を見ておいても治る可能性は非常に少ないと言えます。反対咬合とは上顎の成長不足によるものなので上顎を成長させる治療が必要です。
右の図をご覧いただきたいのですが、赤い点線が上顎(上あご)の発育速度です。出生をピークにどんどん発育はなくなっていき、10歳で95%の発育が終わります。上顎を成長させたくても10歳を超えると成長が終わっていることが多いので、矯正治療では治せなくなるのです。(成長終了後に外科矯正が必要です)
ですので反対咬合は遅くても9歳まで、出来たら乳歯のうちからでも早く治療をした方がいいと言えます。
費用
Q&A
01.装置をつけていると磨きにくそうですが、むし歯になりませんか?
装置の接着材には(セメント)にはフッ素が入っていますので食生活に偏りがなく、普通に清掃できればむし歯になることはありません。歯科医院でも1~2ヶ月に1回歯の清掃を行いますので何かあればすぐ対応します。
02.痛くないですか?
装置を装着した直後は圧迫感や痛みを感じることもありますが、数日でなくなります。痛み止めも処方しますので痛みがあればお飲みください。
03.装置をつけていて日常生活に支障はないですか?
装置を装着した直後はしゃべりにくかったり、飲み込みにくさを感じますが数日で慣れ、日常には支障はありません。
04.来院間隔はどれくらいですか?
装置を装着するまでは、1~3週間に1回程度の間隔です。装着後の調整は1~3ヶ月に1回程度です。むし歯治療と異なり、来院間隔は長くなります。
05.何歳ぐらいから始めるといいですか?
発育に問題があるところを正常に戻し、機能を改善する治療ですので、早い年齢から治療を開始するのが効果的です。
状態により違いますが5~7歳位に開始するのが理想です。
06.期間はどれくらいかかりますか?
早く治療を開始できれば、1~2年でバランスのとれた歯並び、口元になります。永久歯の生えそろう時期までは、発育が正常に進んでいるか定期的に観察し、異常があれば装置を再装着することもあります。